サヨナラからはじめよう
「はぁ~・・・、すみません。やっと落ち着きました」

すっかり化粧も落ちてしまい、顔も真っ赤になって見るも無惨だろうけどもうそんな事はお構いなしだ。今日という日はとことん喜びに浸ろう。いっそのこと溺れてしまうほどに。

あれからようやく泣き止んだ私と齋藤さんは、二人だけで話に花を咲かせていた。

「ふふ、三国さんって私が思ってた以上に感情表現が豊かなのね。どちらかと言えばクールな方かと思ってたけど」

「す、すみません。お恥ずかしい限りです・・・」

「違う違う!いい意味で言ってるのよ。子どもみたいに喜びを爆発させるあなたが可愛くって」

・・・可愛いのはあなたです、齋藤さん。
子持ちのお母さんとは思えないその素敵な笑顔にこちらが照れてしまいます。

「齋藤さんのその笑顔見せられたら、そんな趣味がなくてもドキドキしちゃいます・・・」

「え?あっははは!!三国さんって実は凄くユーモアのある子だったのね!好きだわ~、そういう子」

これまでも齋藤さんとは良い関係を築けてきたと思っていたけど、
今回のことでますます互いへの理解が深まったような気がする。
彼女のように大きな器の人と共に仕事ができるのならば、これからもどんどん新しいことにチャレンジできるだろう。
私は彼女との出会いに心から感謝した。
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