サヨナラからはじめよう
あなたの言葉を聞かせてください
「あふ・・・」
翌朝、起床してすぐに大きなあくびが出る。
結局夕べもほとんど眠れなかった。二日続けて完全な寝不足だ。
あいつのことを考えて夜も眠れないなんて、まるで付き合っていた頃に色々と悩んでいたときのようだ。
今も昔も結局あの男に振り回されてるなんて、思わず苦笑いがこぼれる。
今日彼に会ってそれからどうなるのか、自分でも全くわからない。
それでもちゃんと向き合うことをしなければ、私は一生引き摺ったままになってしまう。
一つの区切りをきちんとつけるためには、もう彼と会うしかない。
それがどんな未来へ導こうとも、私はもう逃げたりしない。
「よしっ、頑張れ自分!」
いつものようにバシッと頬に気合いを注入すると、
昨日と同じように寝不足を隠すために鏡に映る自分と向き合った。