サヨナラからはじめよう
サヨナラから見えたこともありました
「・・・・・・・・」
眩しい・・・
瞼に白い光を感じてゆっくりと目を開いていく。
ぼんやり霞んだ視界に綺麗な指が映った。
長くて綺麗で、骨張ってて・・・
「・・・・・・ん?」
・・・私の手はこんなに美しくない。
その瞬間、ぼんやりしていた頭が急激に覚めていくのがわかる。
あらためて見れば自分の顔の下から筋肉質な腕が伸びているのがわかった。
室内に目線を送れば自分の部屋じゃないことは明らかだ。
そうだ、昨日は司のマンションに来て、
ようやく向き合って、そしてそれから・・・・・・
そこまで思い出すとカーーーーーッと頬に急激に熱が集まってくる。
振り向こうと体を起こしたけれど、お腹の辺りに巻き付くようにもう一方の腕が絡まっていて身動きが取れない。なるべく起こさないようにゆっくりとその手をどかしていく。
そしてそろりと体を反転させると、自分なんかよりもよっぽど綺麗な寝顔が目の前にあった。
さすがに疲れているのか、ぐっすり寝ているようで起きる気配はない。