サヨナラからはじめよう
「入籍はもう少ししてからしようかと。あと式は9月か10月くらいで考えてます」

「俺は今すぐにでも籍入れたいんだけどな」

司が不満そうに口を尖らす。

「あはは、涼子ちゃんに逃げられるんじゃないかって気が気じゃないんでしょ。でも彼女の好きなようにさせてあげなさいよ。あんたに決定権はないの!」

「チッ、ほんとにうるさいな・・・・」

「はいはい、いじけないいじけない」

「あははは!」

この二人って本当に仲がいいんだな~。
良いも悪いも互いの全てを知り尽くしてるって感じで。
つくづくカナさんがライバルじゃなくて良かった・・・
そこら辺の女性よりよっぽど強敵だと思うから。

「あ~、でもあの司がついに夢を叶えるのかぁ・・・。ろくでなしのくせにあっさり幸せゲットしてずるくない?なんか許せないわ~。あ~、私にも早く王子様が現れないかしら」

「なんだよお前、この前いいって騒いでた男はどうなったんだ?」

「あ~、あいつは駄目駄目。直前で怖じ気づいて逃げちゃったわ」

直前ってなんの・・・・?
すっごく気になるけど怖くて聞けない・・・
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