始まりの手紙、終わりの手紙。
気のせいだろうか。

溜息が重なった気がした。

周りを見ても誰もいなーーー

いた。

いつの間に座ったのだろうか

私の隣に一人分くらいの距離を置いて青い空を眺めている男の子がいた。

制服は同じ学校なのだろうか、うちの学校の制服と似ている。

髪は坊主まではいかないが結構短めで、

「...何?」


絵に描いたようなってこういう事を言うのかな。

整ってる顔で目が鋭くこっちを見てて目が合ってる。
目が合ってる?ん?

「ねぇ...何?なんかついてる?」

「えっ!あっと...」

「あんた、なに溜息ついてたの?」

「えっあぁ...
手紙を出しのたのは良いんですけど、
差出人のとこに名前を書くのを忘れちゃって...」

「...!あんた手紙なんて出すんだ。
いかにもメールばっかしてそう」

いつもの調子なら腹が立って仕方ない筈なのに。
今はもう名前を書き忘れたことに対して
腹が立ったので疲れてそんな気にもなれなかった。

でも、なんか嫌。
意地悪とかの言葉はこういう奴の事なんだろう。

「あっそ」

冷たく、渇いた喉から吐き出す言葉。

気分が更に悪くなった私はその場から離れることにした。
こんな奴と駄弁っているのは時間が勿体無い。

その後なにも言わず青坂公園を後にした。

私はその時生徒手帳を落としたのにも気づかずに、早足で。
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