恋龍伝 〜不思議な猫と闇の国〜

龍華さんはきえた。

「あー、どうしよう。
もうやだ。むりだよ。」

座り込んだ。

『そんなことないです。』

目の前を見ると
若い青年が黒に黄色の着物をきて
微笑んでいた。

「だれですか?」

『雷紀でございます。
私は、亜美様がどうしようもなく
やるせない気持ちになったときに
あらわれるようです。』

「あは、私そんな気持ちなんだ。」

涙がこぼれた。

雷紀さんは困ったように笑うと

『さぁ、乗ってください。
安曇殿のとこへ案内しましょう。』

< 107 / 298 >

この作品をシェア

pagetop