恋龍伝 〜不思議な猫と闇の国〜
龍華さんはきえた。
「あー、どうしよう。
もうやだ。むりだよ。」
座り込んだ。
『そんなことないです。』
目の前を見ると
若い青年が黒に黄色の着物をきて
微笑んでいた。
「だれですか?」
『雷紀でございます。
私は、亜美様がどうしようもなく
やるせない気持ちになったときに
あらわれるようです。』
「あは、私そんな気持ちなんだ。」
涙がこぼれた。
雷紀さんは困ったように笑うと
『さぁ、乗ってください。
安曇殿のとこへ案内しましょう。』