恋龍伝 〜不思議な猫と闇の国〜
『騒がしいやつじゃい。』
楽しそうに言う 安曇さん。
『そうですね。
なんの人魚でしょうか。』
『多分、トラフグの人魚じゃよ。』
根拠はないんだ。
―――――ガラガラガラ
水の間のふすまをあけると
目の前に大きな龍の屏風が
現れた。
「なに、これ....」
『これは、伝説の水龍の屏風ですね。
噂では宮殿に保管されていると
聞いていましたが、ここにありましたか。』
水龍って
恋龍伝の水紀さんだったよね。
『とりあえず
入って待ちましょうか。』
璃稀さんに、続く安曇と私
屏風の向こう側は
二十畳程あって、屏風とは似合わない
大理石調の床や 壁いっぱいの窓
シルクのカーテン。
どこのお城かな。
私達たしかにふすまから
出てきたんだけど。