恋龍伝 〜不思議な猫と闇の国〜
「響愛か。
良い名じゃ。

ところで響愛は何故このような森へ?」

『....聞きたいのは 僕の方です。
何故 こんな森へ神楽の姫が
いるのでしょうか』


「疲れたのじゃよ。」

そういって笑う 龍華のことを
響愛は不思議に思った。
なぜ神楽のものとあろうものが
こんなとこへくるのか。
しかもその相手は姫様である。

『そう、ですか。』


家を出たときは
朝だったのに
日が暮れて暗闇に包まれた。

『龍華姫、今日は
内辺一族の私の屋敷に
来てください。』

「いい、ここにおる。」

何度もさそわれたが
龍華も家に戻るつもりだったので
全てことわった。

『わかりました。』

困って笑う響愛だったが
お気を付けて。そういうと
闇のなかへ消えていった。

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