恋龍伝 〜不思議な猫と闇の国〜
響愛が去ったあと
龍華は立ち上がり

「光を司りし 光紀よ
今ここにまいらん。」

だれもいない森で龍華が
そう呟くと 着物に描かれていた龍の
絵が一つ光はじめ
若い青年が現れた。

『龍華様。 』

「光紀!」

そう、龍華が召喚したのは
日代里の体に封印した あの龍だった。

『暗いです。ここ。』

「あぁ、そうじゃ。
光紀を召喚するのは
いつも昼だったからの。」

『それで、何でしょう。』

冷たいのはいつものこと。

「私はなにすればいいのじゃ。」

『しりませんよ。
でも、とりあえずは
響愛とかいう若者を追いかけるのが
良いでしょう。

背中にお乗りなさい。』

いつもは冷たい光紀も
所詮は日代里の愛に負けたモノなので
心はすごく暖かい。

ありがとう....そうつぶやいて
龍の姿をした光紀の背中をまたいだ。

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