恋愛奮闘記
「良はモテるから。女を落とすのなんてゲームみたいな感覚なんじゃない?一回ヤったら捨てられるのがオチよ。だから良はやめたほうが良いわ」
「…あなたは、そんな男の人と付き合っていたんですか」
そういうと、はるかさんの眉がピクっと動いた。
「あなたも、遊ばれて捨てられたんですか」
言い過ぎかもと思いつつ、私はかなり腹が立っていた。
きっとこの人はまだ早坂さんのことが好きなんだろう。なんとしても、自分だけのものにしたいぐらいに。
でもじゃあなんで、好きな人のことをそんな風に悪く言えるのだろう。
ようは、この人は自分さえよければ良いのだ。早坂さんが周りから最低な男だと思われようと、自分のものにして、首輪を付けて、檻から出したくないのだろう。
…愛は、見返りを求めるものじゃないのに。
自分から、差し出すものなのに。
はるかさんは私の顔をギロっと睨んでいる。私も目を逸らさないようにする。
「はあ…わかったわ」
そういうと、はるかさんはコーヒーを残したまま席を立った。
そして。
「あなたのお店、開店出来る日はまだまだ先になりそうね」