恋愛奮闘記


みんなに背中を押された私は早坂さんの家へと走った。

息を切らして着いたそこには、早坂さんとはるかさんが立っていた。
やっぱりはるかさん、早坂さんのこと諦めて無いんだな、と冷静に思った。

だけどショックだった。

私がモタモタしてる間に、はるかさんに取られてしまう…そう思った。
でも次の瞬間はるかさんは逃げるように走っていった。



そして怒ったような顔をした早坂さんがふいにこっちを見た。

あ…、どうしよう。
覚悟して来たはずなのに、何を話したら良いかわからなくなっていた。



「す、すみません…邪魔して、しまいましたね…」

とっさに出て来たのはそんな言葉で。
また私から距離を作ってしまったような気がして。
言ったそばから後悔していた私に、

「違う、矢野さん」

そう言って早坂さんが近づいてきて。



気付けば抱き締められていた。

すごくびっくりして言葉が出なかった。
だけど嬉しくて…。

久しぶりに触れた早坂さんの体温に、愛しさが溢れて、涙が出そうで。
あぁ、すごくこの人に会いたかったんだなあと思った。



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