恋愛奮闘記



「近いうちに新しい担当の人が挨拶に来ると思うの。今度こそ良い人だといいわね」

「そうですね」



変わっていく。少しずつ、いい方向に。



そこへ、岩佐くんが顔をのぞかせた。

「店長、ちょっといいですか」

「はーい。じゃあ矢野、しっかりね」

「はい」

「岩佐どうしたの?」

「あ、この発注の件なんですけど…」

話しながら二人はフロアに出ていった。



店長、橘さん、岩佐くん。

矢野は少しずつ成長していきます。






バックルームに一人残って考える。



…会いたいな。

待っててと言われて待っているけど。
こんなにも頭の中で考えてること、きっと彼は知らない。



「会いたいよ…」



誰にも聞こえることのない私の声が、空気に溶けていった。



< 145 / 200 >

この作品をシェア

pagetop