恋愛奮闘記
「ふーん…あ、それより矢野!例の小金井さんの後の担当の人見た?」
「ああ、挨拶に来てましたね。ちょうどその時カットしててちゃんと見れてないんですよ」
「もう、すっごいイケメンだから!次もし来たらじっくり見て!お願い!」
店長から聞いた話だと次の担当の人はかなり若いと聞いた。私と同じぐらいかもしれない。真面目そうで礼儀も正しく、好青年だと言っていた。
「お願いって…そんなにイケメンなんですか」
空になったグラスをカウンターに置き、二杯目のサングリアを飲む。
「もう、極上!若いってのがまた堪んない!しかもオシャレなのよね」
「へえー」
橘さん…今日ペース早いな。ひょっとしてもう酔ってるんじゃ…?
「あ、矢野興味なさそう。あんたほんと男に興味ないよねもったいない」
興味ないっていうか先日彼氏が出来たばっかりなんですけど!と言いそうになるのを堪える。また冷やかされるのが目に見えてるからだ。