恋愛奮闘記



そういうことサラッとするんだもんなあ…。
というか改めてみると本当かっこいいなこの人。

緩めたネクタイとか、ワイシャツの袖まくってるのとか、ツボすぎて心臓がばくばくいってます。



結局何回も名前で呼ぼうとしたのに一度も呼べないままお店を出ることになってしまった。



手を繋いでマンションまで歩く。

「あのさー」

「はい?」

「もうちょっとだけ…一緒に飲まない?」

「え…でも、明日も朝早いんじゃ」

もうすぐ日付けが変わろうとしている。
さすがにもう帰った方が良いだろう。
それにこんな時間じゃ空いてるお店もほとんど無いし…。

「そうそう、言おうと思ってタイミング逃してたんだけど、俺も明日休みなんだよね」

「え!?」

「今日仕事したからその代休で。ははっ!矢野さん口空いてる空いてる」

口も空きますって!
なんだ、そうだったのか。勝手に仕事だと思い込んでた。



「それで…俺んち、来る?」


< 170 / 200 >

この作品をシェア

pagetop