恋愛奮闘記
「えっ…」
「俺んちで飲み直そ?」
そう言って顔を覗き込んでくる。
は、早坂さんの家に…。
それって、そういうこと…なのかな?
どうしよう、すごくドキドキする。
でも恋人なんだしもちろん私だって断る理由は見つからないわけで。
というかそんな顔されて断れるはずないじゃん…。
「はい…おじゃま、します」
そう言うとニコッと笑う。
「よかった。断られたらどうしようかと思った」
決めた。家にお邪魔してる間に絶対名前で呼ぶ!
早坂さんの家は10階だての8階だった。
エレベーターを降りて早坂さんの後ろについて廊下を歩く。
ガチャっと音がして鍵が空いた。
「どうぞ」
早坂さんがドアを手で押さえて私が先に入るのを待っててくれる。
「お邪魔します…」
中に入り、早坂さんが後ろ手にドアを閉めた。
「きゃっ」
その瞬間、後ろからぎゅっと抱き締められた。