恋愛奮闘記
「良さん…」
勢いよく良さんの胸に飛び込んだ。
ぎゅーっと強く抱き締めてくれる腕。
「さっきの人はね、管理会社の人で新しくうちのお店の担当になったの。それで、前の人が酷いことしたって私に謝罪してたらしくて。それを伝えに来てくれただけなの。本当なの」
「前の人って…あの女の親か」
「そう。それで嬉しくなって気が緩んで…。ただそれだけだったの」
「そっか。ごめん俺、司を取られたくないってそればっかり考えた。困らせること言うつもり無かったのに」
「困らせたっていいよ!」
「…司?」
良さんの腕の中で、その胸におでこを擦り付ける。
「こんなに嬉しいことで困らせられるなんて、大歓迎だよ!良さんが側にいてくれる限り、私が誰かに取られることなんて絶対ないよ!」
今までこんなに誰かを好きになったことは無い。それはこれから先も同じ。
絶対手放したくない。
「俺は一生側にいる。誰にもやらない。お前だけは絶対」