恋愛奮闘記
閉店間際ということもあり、他のお客様はみんな帰っていった。
「はいはーい!今日はもう早坂さんが最後のお客様だからね、今からはこそこそせずに堂々といちゃついてちょうだい」
ぎょっとして橘さんを見ると、にんまり笑ってこっちを見ていた。
「だって。司、どうする?」
「どうって…!何言ってんですか橘さん!」
「だーってさっきからこそこそこそこそ何喋ってんのか気になってたから」
「俺にも聞かせて欲しいっす」
「岩佐くんまで…!」
「じゃあお言葉に甘えて。司、いちゃついていいってさ」
「バカッ!丸坊主にするぞ!」
とことんいじられる運命の私はカットに専念することにした。
言い返しても更に追い詰められるのがオチだ。
これ以上何か言ったら本当にバリカンで剃ってやる!