恋愛奮闘記
夜。
仕事を終えてマンションに帰ると、部屋の灯りがついているのが見えた。
来てるのか。
遅くならなくてよかった。
「ただいま」
「おかえり」
お互いに合鍵を渡すようになって、こうして家で帰りを待っていてくれることが増えた。
一人暮らしが長い私はただいまを言うのさえ最初は照れ臭かったけど、それもいつの間にか当たり前になっているから不思議だ。
「飯作ってみた。味の保証は無いけど」
「助かる!ありがとうー」
二人向かい合って食べるご飯は、一人の時とは比べ物にならないほど美味しい。
それが良さんの手料理となれば尚更。
「今日はカットありがとな。スッキリしたー」
「こちらこそありがとう。でもさ、わざわざお店に来なくても家で切ってあげるのに。その方がお金もかからないし好きな時に切れるよ?」