恋愛奮闘記
仕事の帰り道、溜息をつきながら歩く。
「なんか私、すっかり舞い上がっちゃってたのかな…」
家も職場も近くって、すぐまた会えるんじゃないかな、とか。
メールだって、すぐ送ってくれて、近いうちに一緒に飲みに行けるんじゃないかな、とか…。
自分が恥ずかしい。
そして、惨めだ。
期待してた。
あの人もきっと、私のこと少しは気になってくれてるかも、なんて。
一人で空回りして、馬鹿みたいだ。
あの人にとっては全部気まぐれだったのかもしれない。
私は、偶然会えただけで嬉しくて。
一緒に帰れたことが夢のようで。
連絡先を知れたのが嘘みたいで。
…ほんとに夢だったのかも。
「あーもう」
飲みに行くに限る。
シュウさんのバーに行こう。
この気持ち全部、いつものサングリアと一緒に流してしまおう。