恋愛奮闘記
それから俺はずっとその子と話していた。
もっとよく、この子のこと知りたい。
俺のことも知って欲しい。
帰り際、彼女が向けてくれた笑顔を見たときに俺はこの子に一目惚れしてたんだと気付いた。
だからその後偶然コンビニで会ったときは死ぬ程嬉しかった。
強引に連絡先を聞き、
もっと親しくなろうと決意する。
でもそのあと、その決意はだんだん臆病になっていく。
思えば、今まで自分からアプローチしたことなんて無かったと思う。
ここまでは自分が思ったように行動出来たけど…
ここから先は、相手の気持ちも考えなければならない。
嫌われることだけは避けたい。
強引な男だと、
軽い男だと思われたくない。
でも今はまだ、俺がこんな気持ちになるのは初めてで真剣なんだ、と伝える時期ではない。
「あーーくそ」
アドレスを開いては止まり、眺めるだけの日が続いた。