恋愛奮闘記


「って、本人のところに切りにきてたら意味ないかもしれないですけどね」


ははっと笑う。

その笑顔にまたやられる。
気付いてる?わざとなの?

もし、わざとでも良い。
私のための笑顔なら。











「ありがとうございました!」


「じゃあまた、あさって。
ありがとうございました」



早坂さんが帰っていく。

見送って、はあーっと息を吐き出す。


1時間でこんななのに、日曜私心臓もつのかな…




「矢野さん、ちょっと良いですか」

「え…どうしたの?岩佐くん」



岩佐くんに呼ばれてバックルームに入る。フロアでは、橘さんが接客している。
相変わらず流れるような仕事っぷりだ。



「さっきの人…早坂さんとどういう関係なんですかね。付き合ってる、とか」




はい?
急になんだ。



「ま、まさか!そんな訳ないし、どんな関係って言われてもまだ来てくれたの今日で2回目だよ?」



「あー、そうですよね。じゃあなんであんなこと…」

岩佐くんが何かを考えるしぐさを見せる。


「なに?なんか言われたの?」



< 48 / 200 >

この作品をシェア

pagetop