恋愛奮闘記
「あたしはね、矢野がこの4年間どんだけ仕事を頑張ってきたか知ってるの。だからこそ、そろそろ恋愛面でも成功して欲しいと思ってる」
「橘さん…私感動して直したばっかりの化粧崩れそうです」
「こらっ真剣に話してんのよ!まったく…。でもさ、あたし達の環境は確かに出会いは少ないよ。プライベートの時間も少ないし。だから合コンでも街コンでも連れてってあげるって言ってんじゃん」
合コンなあ…
少し前までは何回か行ったことがある。それなりに楽しめるし、交流関係が広まるのは良いことだと思う。
でもそれで終わってしまう。
ドキドキとか、そわそわとか、そういう感情が出てこない。それになんだか面倒くさくなってきて、最近ではもう参加するのが億劫になってきた。
「ま、なんかあったらいつでも相談しなよ。あんたはあたしの大事な妹みたいなもんだからさ」
「ありがとうございます、橘さん。でも心配しないでください!私はまだまだこの仕事に打ち込みたいし、結婚も特に早くしたい訳じゃないんです」
嘘。
本当は羨ましい。
幸せになっていく友達が。