恋愛奮闘記
降りる駅についた。
えーっと…
どうすれば良いのかな。
家の方に行った方が良い?
隣の家だから行き違うことはないだろうし…。
考えていると、ふいに肩を叩かれた。
「わっ!」
「ははっ!びっくりしてる。お疲れ様です」
振り返ると早坂さんが満面の笑みで立っていた。
「びっくりした…!わざわざ来てくださったんですね、すみません」
ていうか…かっこいい。
いつもお店に来てくれるときはスーツ姿なので、休日の早坂さんは雰囲気が違った。
この前夜中に偶然会ったときは部屋着だったし…。
自分に似合う服をよく知っているのだろう。すらっとした身長に細身のパンツがよく似合っている。
髪型も、仕事のときと違って前髪を軽く上げておでこを見せている。
男前って、こういう人のことを言うんだろうなあ…。
つい見とれていると、ん?という顔でこっちを見てくる。
「あ!すいません、いつもと雰囲気が違うので…」
「そうですか?
…矢野さんも、なんかいつもと違う」
えっ!
やっぱり変に気合い入ってておかしいかな!仕事の時はパンツスタイルが多いから…!
「可愛いですね」
え…
い、今の聞き間違いじゃないよね…?