恋愛奮闘記
「それは…えっと、嬉しいんですけどすぐには…」
「あー、やっぱそうだよな。ごめん。でもさ、俺は普通に話してくれて良いと思ってるってのだけ覚えといてね」
「はい、ありがとうございます」
敬語じゃない早坂さんは、すごく男らしくなったように感じる。
こっちの方がどきどきしちゃうよ…
横に並んで歩く。
日曜日の夜は賑やかだった。
たくさんの人が往来する中、自分達はどう見えるのだろう。
さりげなく車道側を歩いてくれて、さりげなく歩くペースを合わせてくれているこの人と、どうかつり合う自分であります様に。
いつもより背筋を伸ばして、緊張を顔に出さないように歩く。
本当はすごいんだよ。心臓の音。
どうか、聞こえてませんように。