恋愛奮闘記
6時半。
橘さんが魔法でもかけたのか、私の彼氏欲しい願望が強すぎたのか、
その出会いは突然やってきた。
「いらっしゃいませ!」
岩佐くんが元気よく言った。
新規のお客様が来たんだ。
今日最後のお客様、満足していただけますように!
フロアに顔を出す。
岩佐くんがお客様の荷物と背広を受け取って、席に案内する。
カルテを書いてもらう。
そこで橘さんが私の肩を叩いた。
「なに固まってんの?一目惚れでもした?」
「えっ…あ、やば、固まってた」
何かに囚われたような感じがした。