恋愛奮闘記
stage.8
休業してから約2週間がたったある日。
「はぁああああ!?それだけ!?付き合うとか好きだとかなんもなし!?」
橘さんの叫び声がお店に響いた。
「ちょっ…!声!おおきい!」
「何やってんのあの人!?信じらんない!馬鹿じゃないの!?何故そこで言わない!?」
「おっ落ちついてっ!くださっ!声おおきいって!」
「…矢野さんも、落ち着いてください」
「!い、岩佐くん!今の会話…!」
「え?聞こえないようにしてたつもりっすか?あれで?」
は、恥ずかしすぎる!
「…大丈夫っすよ。先週家の前であの人が待ってて抱き締められて告白まがいのことを言われたってことしか聞いてませんから」
「いやそれほぼ全部だから!聞かれたくなかったこと全部だから!」
レッスンの用意をしながらぎゃあぎゃあ騒ぐ。
最近はもう自分達で出来る掃除や補修はやり切ってしまったので、レッスンの為にお店に来るような感じだ。
あとは業者やビルの管理会社に任せるしかなくなっている。
それによってお店の再開時期が決まるので一刻も早くしてほしいところなのだが。