恋愛奮闘記
ここで私の無い頭で考えられるのは二通り。
一つ、私のことを気になっているけれどすぐに告白するような気持ちにはまだなれない。
二つ、そもそも気まぐれであって別に私のことを気にしているわけではない。
この二つのうちどちらかに特定する材料を私は持っていない。
だから早坂さんに特定できるような出来事を起こして欲しいのだ。
一体どういうつもりであんなことしたの?
私、期待してもいいの?
考えても答えの出ないことをぐるぐる考える。
「矢野、ひとつ言っとく。恋愛はタイミングだよ」
「橘さん…」
そのタイミングが、今ってこと?
ならぐだぐだ考えないで、もう言ってしまおうか。彼に私の気持ちを。
………やばい。
考えてるだけなのにものすごく緊張してきた。
頭パンクする。今は考えるのやめよう…
私はレッスンに集中するべく、頭の中の思考を振り払った。
早坂さんから電話があったのは、その日の夜10時頃だった。