恋愛奮闘記



そろそろお風呂に入ろうかなと思っていたところで、携帯が鳴った。

誰からだろうと画面を見て、意味もなく正座してから電話をとった。


「もっもしもし!」

「あ、矢野さんお疲れ様。早坂です。もう家?今大丈夫?」

「全然大丈夫です!もう帰ってます!」

「よかった。…あのさ、今からちょっと下おりれない?」

「え?」

「マンションの下。…無理ならいいけど」

「あ、いや、大丈夫です。じゃあ今からおりますね?」

「ありがとう。待ってる」

電話が切れた。



なに?どうしたの?
電話じゃ言いにくい用事でもあるのかな。
少し不安になる。

だけど今から会えると思うと、自然と胸が高鳴る。


…ていうか、すっぴんじゃなくてよかったーー!
セーフ!


軽く髪を整えて急いで家を出た。

マンションのエントランスを出ると、早坂さんはもう待っていた。


ああ、好きだなあ…





「こんばんは!」

「こんばんは。わざわざごめん」


早坂さんが笑顔で近付いてきた。


「いえ、どうしたんですか?」




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