恋愛奮闘記
「あー、そうだね、どーなってんだろうね」
「は?なんだそれ。もしかしてまだウジウジしてんのか」
「そ、んな訳じゃないと思うけど…」
どーなってるのかと言われれば、確かにどーなっているのだろう。
私の気持ちを伝えた訳ではないし、早坂さんの気持ちも知らない。でも、友達と言われればそれは違うような…。ただの客と店員ではないし、すごく曖昧な関係だ。
「おい、また泣かされたりしてんじゃないだろうな」
シュウさんが怖い顔で迫ってきた。
「ち、違う違う!それはない!」
しかも、前のは泣かされた訳じゃなくて私が勝手に不安になって泣いてただけだし!
「た、たまにご飯行ったり、連絡取ったりはしてるよ。どっちかといえば…良い感じなのかも」
実はここ最近、週2回ぐらいのペースでマンションの近くの公園で夜に会っている。それはなんだか恥ずかしくてシュウさんに言えなかった。
「…ふーーーーん」
あれ…?
シュウさんの顔は怖いままだ。
なんで?どうして?
「司が幸せなら良いんだけどよ。何かされたら俺に言え」
「シュウさん、お父さんみたいなんだけど」
「うわ!…お前、今のは刺さったぞ」
「なにが!どこに!」
「うるせぇ!お前はこれでも飲んでろ!」
そう言って二杯目のサングリアが出された。