恋愛奮闘記
その日、私はいつも通り出勤し、レッスンを終え、夜8時頃にお店を出た。
「矢野さんですか?」
お店を出てすぐの所で誰かに呼び止められた。
振り返ってみて、ハッとした。
「そう…ですけど」
「少し…お話したいことがあるんですけど。これから時間ないですか?」
丁寧なようで吐き捨てるようなその口調は、私に対してあきらかに敵意を持っている。
「は、い。大丈夫です」
受けてたとうと思ったのだ。
私だって譲りたくなかったから。
「あ、私、良の元カノのはるかっていいます」
知ってるよ、そんな事は。
だけどはるかさんが話してきた内容は、驚くべきものだった。