7th heaven
第一章
あの人とあたし
「はぁはぁはぁっ…。はぁはぁ…っ」
今にでも消えそうな街灯がピカピカ点滅しながら光を放つ暗闇を
あたしは息を切らしながら走る。
少し走っては後ろを振り向き、追手がきてないのを確認する。
それを繰り返しながら海辺近くの倉庫に身を隠した。
「はぁはぁ…っ」
ここまでくれば大丈夫かと膝に手をおき支えにして息を整える。
4月の中旬。夜中はまだ肌寒い。