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そんなことを考えていると、もうチャイムが鳴って、先生が教室に入って来てしまった。


みんなが慌てて席に着く。



「このクラスの担任になりました、英語担当の山下です。
一年間、みんなと楽しくやっていけたらいいと思ってます、みんなよろしくね」



G組の担任の山下先生は、女子に人気がありそうな、なかなかイケメンで爽やかな若い男の先生。


すでに女子たちはざわついていた。



「じゃ、入学式まで時間あるから、みんなにも自己紹介してもらおうかな。」



あ、うわ…きた。


ど、どうしよ、なに言おう。


中学と名前だけでいいかな…



「じゃあ、出席番号順で」



「はい。青木凛です。3中から来ました。吹奏楽やってたので高校でも続けようとおもってます。よろしくお願いします!」



うわ…すごいハキハキした子だな…


そのあとの自己紹介でも、みんなはハキハキと自分のことを話していた。



「じゃぁ、白石。」


「はっ…はい」


先生に名前を呼ばれて席を立つ。



「…西中から来ました、白石未希です。…よろしくお願いします…」



……パチパチパチ…



…やっぱ暗い子だって思われるかな…


でもこれだけでも、顔が赤くなるのがわかる。本当に話すの苦手だ。



「はい、ありがとう。
じゃぁ、次は…鈴原かな」



「…はい…」



私の後ろの女の子が、小さな声で返事をして席を立った。



「鈴原、千穂です。よろしくお願いします…」



パチパチパチ…



あ、なんか私と同じにおいがする


顔を赤くして俯きながら席に座るその女の子は、顔はよく見えないけど、私と同じで人見知りの子なのかもしれない。



…友だちになってみたいな…


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