＊* b l u e *＊

家にかえってケータイを開くと、優奈からメールが来ていた。


[未希！ 入学式どうだった？
ちゃんと声かけられた？
心配すぎて、未希大丈夫かなーってずっとおもってたよー！笑]


優奈の優しいメールにもう懐かしさを感じてしまう。
すごく優奈と話がしたくて、電話をかけた。


『未希ー！ 大丈夫？
どーどった？ 友だちできたー？』


「うーん…微妙…かなぁ」


とりあえず話はしたけど友だちって呼んでいいのか…


『そっかー。まぁ初日だしね。
入学式だったし時間ないでしょ。
これからだよこれから！
誰とも喋んなかったの？』


「あ、ううん。女の子とちょっとだけ喋ったの。1人。」


『おお！ いい感じじゃん！ 進歩したね！』


「喋ったっていっても、スカートにしつけ糸ついてたの教えてもらってとってもらっただけだけどね…」


『あはは！ 何やってんのー笑
でもよかったね。きっかけになったじゃん』


「そーだね。あ、あとね、朝、電車乗り過ごしそうになったの教えてもらった男の子と、メアド交換したの…」


『は！？ 男の子！？ 何、未希初日からナンパされてんの？！笑』


「え、ちがうし！」


『いやー未希ならあり得る。
可愛いもん！すぐ彼氏できちゃうな。
そーやって優奈と遊んでくれなくなるんだな。さびしいな〜！』


「ないって！モテモテなのは優奈のほうだよ。しかもろくに友だちできてないのに彼氏なんてできないよ」


『どーだろね！
いやーでも安心したよ。初日でそこまでできれば大丈夫大丈夫。すぐ慣れるって』


「優奈…ありがとう。なんかちょっと安心したかも」


『またなんかあったらいつでも連絡してよ。がんばれ！』


「うん。ありがとう！じゃあ、またね」



優奈との電話は本当に落ち着く。


そっか。そうだよね。


友だちって呼んでいいのか微妙だけど、 金井くんと喋れたし…


それにまだこれからだよね…


少しずつ、がんばっていこ……