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「未希、本当に一人で大丈夫?」
「うん…不安だけど…がんばるよ」
「友だちつくるんだよ? 中学の時みたいに怖がってちゃだめだからね。最初が肝心なんだから」
「わかってる。大丈夫」
「がんばってね。何かあったら相談のるからね! いつでも連絡すんだよ。
いじめられたら、優奈がぶっとばしにいくから!」
「大丈夫だよ、がんばるね。
ありがとう!」
「よし。じゃぁ、またねっ!」
そういって優奈は、反対方向に自転車を走らせていった。
ーー私は中学の時、友だちがいなかった。
小さい頃からずっと一緒にいた優奈しか頼れる人がいないのに、3年間、優奈と同じクラスになることはなかった。
休み時間は、私はひとり輪に入れずにいて、本を読んでいるか勉強するか、優奈のクラスにいくか、その3択。
教室移動もひとり。何をするのもひとり。
3年間、クラスに馴染めることはなかった。
私とは対照的な優奈。
優奈は、明るくて天真爛漫、しっかりしていて、正義感が強い。
優しくておもったことははっきり言うような子で、友だちが多かった。
クラス替えをしてもすぐに友だちをつくって、常に輪の中心にいた。
それなのに、友だちのいない私が優奈のクラスに行くと、優奈はこんな私の側にいてくれたんだ。
学校も一緒にいってくれた。
優奈のテニス部の活動がない日は、一緒に帰ってくれた。
そんな優しい優奈に、私はずっと甘えてた。