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「……ぇ、ねぇ」
「えっ…?」
ぼーっとしていると、知らない男の子が声をかけてきた。
わたしと同じ高校の制服……
あわててイヤホンをはずす。
「その制服、S高でしょ?もう最寄りだよ!」
「えっ!?」
ここどこ!?
あわてて立ち上がった瞬間。
プシュー…
ドアが、閉まった。
「「あ…」」
…しまった。
乗り過ごした。電車は高校の最寄り駅を出発してしまう。
「あー、行っちゃったね。ごめんね。もっと早く声かければよかった」
「い、いや…ごめんなさい。」
私に声をかけたせいで、男の子も乗り過ごしてしまうことになって、本当に申し訳ない。
「全然大丈夫だよ。1年生でしょ? 俺も1年。よろしく。」
私の隣の席に座ってきた男の子。話しかけてくれるけど、まともに顔を見ることができない。
「よ…よろしく」
「どこの中学?」
「西中…」
「西中? え、遠くね? 通学大変だろ」
な…なんだ。
すっごい話しかけてくる…
慣れてないから…しかも男子…
うまく喋れない…