** b l u e **



「……ぇ、ねぇ」


「えっ…?」



ぼーっとしていると、知らない男の子が声をかけてきた。


わたしと同じ高校の制服……


あわててイヤホンをはずす。


「その制服、S高でしょ?もう最寄りだよ!」


「えっ!?」



ここどこ!?


あわてて立ち上がった瞬間。


プシュー…


ドアが、閉まった。



「「あ…」」



…しまった。


乗り過ごした。電車は高校の最寄り駅を出発してしまう。



「あー、行っちゃったね。ごめんね。もっと早く声かければよかった」


「い、いや…ごめんなさい。」



私に声をかけたせいで、男の子も乗り過ごしてしまうことになって、本当に申し訳ない。



「全然大丈夫だよ。1年生でしょ? 俺も1年。よろしく。」


私の隣の席に座ってきた男の子。話しかけてくれるけど、まともに顔を見ることができない。


「よ…よろしく」


「どこの中学?」


「西中…」


「西中? え、遠くね? 通学大変だろ」



な…なんだ。


すっごい話しかけてくる…


慣れてないから…しかも男子…


うまく喋れない…


< 5 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop