** b l u e **



ブー…ブー…


「あ、ちょっとごめんね」


男の子のケータイが鳴って、会話が中断。少しホッとしてしまう。


LINEが来たみたい。


画面が見えてしまう。


見るつもりはなかったのだけれど…



[大丈夫か?]


[駅で待ってるから早く来いよ]



友だちかな…


友だちときてたのかな。


本当に申し訳ないことした。



男の子は、


[先いってていいよ。悪い]


と、返事をした。



「あの…本当にごめんね。」


「ん? 大丈夫だって」


「友だちと来てたんだよね。私のせいでその…一緒に乗り過ごすことになっちゃって」


「気にすんなって。…俺が好きでしたんだから。君のせいじゃないよ」



な…


何この人…変わった人だな…


でも、この人が声をかけてくれなかったら、もっと乗り過ごしてずっと先まで行ってしまってたかもしれない。



「…ありがとう」



小さな声でお礼をいった。


聞こえたかな…聞こえなかったかな…



ちらっと横顔を覗く。ばれないように。


あ、結構かっこいい…


くっきり二重だ。まつげながい…鼻高いなー…


爽やかで、かなりモテそう。



そんなことを考えていると、


「どうした?」


「あっ、…なんでも、ない」



覗いているのがばれてしまった。


恥ずかしい…


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