** b l u e **
ーーー憧れの学校の門をくぐる。
不安や緊張が突然襲ってくる。
本当にここで、自分を変えることができるのだろうか。
掲示板に張り出されたクラス表の、G組の欄に自分の名前を見つけた。
あー。緊張する。
階段を上って、1-Gの教室に入ろうとしたとき。
「白石っ」
「えっ…」
そこに立っていたのは、
金井くんと、今朝金井くんと一緒に学校に来ていた男の子の1人だった。
「もしかして、G組?」
「あ…うん…!」
「偶然だね! 俺も。よろしくな」
「よ、よろしく…」
まさか、金井くんが同じクラスだなんて…びっくり。
「あ、これ、俺と同じ中学の峯岸 駿。」
「よろしく…って、え? 何、秀太もう女子と仲良くなってんの?」
峯岸くんが驚いた顔で、私と金井くんの顔を交互に見る。
「…あ、今朝電車に乗り過ごしそうだった子だ! こいつ、降りてからずっと電車の中見てると思ったらーーー」
「あー、おい、入り口で邪魔だから入るぞ」
金井くんはごまかすように話を遮り、教室に入っていった。
私も2人に続いて、教室に入った。
…電車降りてから、ってことは、わざわざ電車の中に戻って来て声かけてくれたってこと…?