『…好きでした、それからごめんね。』
高校3年のある日…
友達との帰宅途中に見覚えのある人が向こう側から歩いてくる。
3年の間に伸びた身長、身体つきも随分と大人になった上杉君が友達と話しながら私に近付いて来る。
とても懐かしくて、でもどこか切なくて声を掛ける事が出来ない。
立ち止まった私に上杉君の友達が先に気が付いて…
「あれ…S高の生徒じゃねぇ?
さすがエリート校の女子は上品だね…
俺と付き合ってくんないかなぁ?」そう軽口を叩く
上杉君は私に気が付いて一瞬目を瞠った気がしたけれど…
「俺たちなんか相手にする訳ないだろう…ほら行くぞ」そう言って立ち止まる事無く行ってしまった。