『…好きでした、それからごめんね。』
気になる人
中学2年の夏休み…
私には、とても感慨深い特別な夏になる。
テニス部に所属していた私は夏休みも毎日のように学校に通いコートで汗を流していた。
隣のグランドでは野球部が大声を上げながら練習をしている。
テニス部と違って大所帯の野球部
境界線となる場所を1年生がボールを逃がさないように注意していても時折テニスボールより遙かに硬い軟式野球のボールがテニスコートまで飛び込んでくる。
「もーホント勘弁してよー当たったら洒落にならないってー」ブーブー言いながら野球ボールを拾い、走ってきた野球部員を見て驚いた。
彼はクラスメートの上杉拓斗
明るい彼は常にクラスの中心にいるようなタイプの人。
成績はあまり、パッしないみたいだけど…
私はといえば人見知りで…
人と気軽に話しが出来るようになるまで時間が掛かるタイプ。
だから彼のように誰とでも直ぐに打ち解けて、仲良くなれるのが単純に羨ましいと思っていた…