殺し合いの証拠
「は?何が違うんだよ――!」
「お父さんは、持病の発作で苦しくなって岸に帰ったの。
お母さんに助けを求めて。
でも、お母さんは水着じゃなかったから、
私達を置いてくることになってしまったの。
人はそこそこ多かったし、迷子にならないか不安だったよ、きっと。
とりあえず、スタッフにこの事を伝えた。
すると雨が降ってきて、そのまま捜索する事に。
お母さんが捜したのは、海じゃなくて聞き込み。
目撃情報を探してたんだ。
そして、お父さんはまた発作が起こらないように休んでた...
これが、本当の真実だよ……
お姉ちゃん……。」
翔子は、姉に向かって小さく笑って見せた。
こんな悲し気な顔を見たのは初めてだ。