シナリオ
「あぁ、で、話を戻すと、俺の親父が預かってた子が三人、いるんだ。
三人ともなんとか無事だったんだけど・・・
あいつら、家に帰れないから、
これからどこで暮らせすか、悩んでるらしい。

もともと親父が預かってた子たちだから、俺はあんまり知らないし、

あいつらも寮に入ったから。

前のあいつらの部屋は住み込みで働いてるやつらが使っててあいてないんだ」


言い忘れていたが、ここはルイの仕事場でもあり、家でもある。

三階建てのこの家の一階はご覧のとおり、バーになっているが、
二、三階は一人暮らしであるルイの家で、
もともとは親父さんと、その親父さんが引き取ってきた子どもたちと暮らしていたと聞くが、詳しくはよく知らない。


今では、ルイの友人や、仕事を手伝ってくれる人たちの部屋になっているというのは、少し前に聞いた。

「でもさ、俺でいいの？」

「あぁ。お前がいいんだ。俺も、あいつらも」

「あいつらもって・・・」

あきれた。
俺に桜東高校に通っている知り合いはいなくて、
そもそも、俺に現役高校生の知り合いはいない。


つまり、ルイが言う『あいつら』とも、知り合いなわけはないのだから、その『あいつら』が、俺を知っているわけもないのだ。
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