【完結】ホイクメン!
今まではずっと、“憧れの先輩”として彼の事を特別視してきた。


しかしお互いが名前を呼び捨てし合う仲になれば、きっと少しずつ過剰に意識しなくなるだろう。




好きな気持ちは変わらない。


距離が縮まった分、少しだけ気楽に接することができるだけ。




「俺、優香には名前で呼んで欲しいの!

だって、昔の俺の事を知ってる古い付き合いなんだからさ?」




母親にじゃれ付く子犬みたい。


そんな信明が可愛くて、いつまでもこの関係が続いて欲しいと切に願う私がいた。




「そう言ってもらえると嬉しいよ。

じゃ、コーヒー淹れてくるね!」




名残惜しいけど、彼の腕をすり抜けキッチンへ向かった私。


すると信明も、ベッドから這い出し私の後を追い掛けてくる。
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