【完結】ホイクメン!
「あ、そっか。

もしかしてデート中だった?」




「え・・・?

いや・・・、これはそうじゃなくて・・・!!」




必死に言い訳しようとするが、気の利いた言葉が浮かんでこない。




あたふたする私。


最悪のタイミングで信明と遭遇してしまった自分の運の悪さを呪いながらも、私は諦めて溜め息を吐いた。




「信明こそ、1人で買い物?

今日の保育はどうだった?」




さりげなく仕事の話題に切り替え、上手くこの場をやり過ごそうとする。


しかし、1人だけ怪訝そうな表情で私たちの会話を聞いている人物がいたのだ。




「優香、行くぞ。」




准一は私の手首を掴み、片手でカートを押しながらつかつかと歩いて行く。


信明の横をスルーし、まるで私たちのやり取りに苛立っているような雰囲気を醸し出しながら・・・。
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