【完結】ホイクメン!
おもむろに引き寄せられた体。


驚き動けぬ間に近付いた、恐い表情を浮かべたままの准一の顔。




―――やだ・・・、止めてっ・・・!!




抵抗できない程の強い眼差しに束縛される。


次の瞬間、彼の唇が強引に私の唇を奪い去っていく。




「・・・ッ!!」




心では拒んでいても、体は動けず囚われたまま。




今の私たちはもう大人だ。


高校生の頃とはもう違う・・・。




「・・・ぃ低。

こんな事するなんて最低だよっ!!」




溜め込んだ抵抗の気持ちがようやく顕わになる。




私は准一の体を突き飛ばし、全力でこの海岸から離れていく。


過去に起こった2つの悲しい思い出。


それらと同じ場所で、私はもう1つ苦い記憶を刻んでしまった。
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