【完結】ホイクメン!
准一の気持ちには応えられない。


彼に無理矢理キスされなかったとしても答えは同じ。




―――信明が好き・・・!!




どんな事をされたって私の気持ちは変わらない。


例え、信明が准一の言う通りの“悪人”であっても・・・。




「・・・っく、ひっく・・・。」




涙は止めどなく溢れ視界を滲ませる。


逃げた私の事をきっと准一は追いかけて来ない。




これから私はどこへ向かおう・・・?




こんな顔で実家に帰れば家族が心配する。


しかも私は、この海岸を准一の車に乗って訪れていたから・・・。




地元という慣れ親しんだテリトリーの中で迷子になった私。




おもむろに取り出したスマートフォン。


待受画面に表示された時刻は、まだ11時を回ったばかりだった。
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