【完結】ホイクメン!
「いいから乗ってよ!

連れていきたい所があるんだ。」




信明は右側の助手席のシートをポンポンと叩き、早く車へ乗るよう私を急かす。




戸惑う私。


しかし子どもを連れた保護者が保育園の角から姿を現した瞬間、私は咄嗟に身を隠してしまった。


信明が運転する、赤いGolfの助手席に・・・。


本当は乗るつもりはなかった。


異性の同僚と一緒にいる場面を見られる事が気まずくて、仕方なく車に乗っただけ。




「じゃ、出発するよ!」




保護者にこの場面を見られたのではないかという懸念は私だけが抱いているもの。


信明は周りの様子など一切気にせず、私が車に乗って間もなく国道方面に向かって車を走らせた。
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