【完結】ホイクメン!
「腹減ったな~。

どこかコンビニに寄ってくか。」




信明は途中のコンビニに立ち寄り、国道275号線を北上していく。


当別町から道道を東側へ進むと、見覚えのある学校の校舎が見えてくる。




「あっ!!」




思わず声を漏らす。




見慣れない田舎の国道を走っていたため、今自分がどこにいるのかという事をよくわかっていなかった。


しかし道道の脇にあるこの学校は、私の妹が寄宿し通学している高等養護学校・・・。




「どうした?」




信明に声を掛けられはっとする。




「ううん、何でもない。」




誤魔化したのは、声を出した理由を話したくないから。




清香が障がい者である事が恥ずかしいんじゃない。


もし清香の事を話したなりゆきで、自分がぽろりと“銭函海岸”という地名を口にしてしまいそうで自信がなかったのだ。
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