【完結】ホイクメン!
「本当にもうっ・・・。

手が早いのね、信明は。」




フフッと笑みを漏らし、キスしてもらった嬉しさを誤魔化す。




信明は言い訳もせず私の手を引っ張っていく。


車に乗り込みすぐ帰路に就いたのは、恐らく彼なりの照れ隠しなのだろう。




「少しは元気になった?」




顔を緩ませたままの私に気付き、運転席から声を掛けてくれる信明。




綺麗な夜空を見て、流れ星に願い事をして・・・。


この素敵な時間を共有できた事はもちろん嬉しいけど、何よりも信明のキスが嬉しかった。




気まぐれでもいい。


関係が“同僚”のままでも優しくキスをしてくれたという事実が幸せ。




だけど星に願った私の思いを、いつか彼に伝える事ができるなら・・・。
< 275 / 485 >

この作品をシェア

pagetop