【完結】ホイクメン!
「ったく、わかったよ。

じゃあ絶対に手ェ出さないって約束するから、今日は優香ん家泊めて?

何だか俺、1人になったら思いっきり凹みそうな気がするからさー。」




気軽に本音を言い合える仲。


きっと信明はそう思っている。




だけど私は、彼に対して一番伝えたい事を言えずにいた。




―――“好き”って言いたいけど・・・。




どうしても言えない。


どんなに彼の事が好きでも、失敗して気まずくなる事を懸念すれば勇気が出ないのだ。




「わかったよ・・・。

その代わり、家に着いたら禁酒禁煙だからね?」




私は信明が吸っているタバコのパッケージを彼の鞄にしまい、伝票を持ってつかつかと会計レジに向かう。




「おーい?優香~!?」




私の後を追ってくる信明。


彼は酔っ払ってフラフラのまま、バッグから財布を出そうとしていた私の腕にしがみ付く。
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