【完結】ホイクメン!
「今日は俺が奢るって~。」




信明は財布を取り出そうとするが、頭と体が連動していないらしい。


鞄から財布を取り出したものの、中からお金を取り出せずにぼとりと財布を床に落としている。




「あ~、もういいから!

割り勘にして、後で半額ちょうだい?」




私は飲食代を全額払い、信明を引き摺ってそそくさと焼き鳥屋を後にした。




信明は私の腕を離さず、よろよろとした足取りで必死に私の隣を歩こうとする。


そんな彼に呆れ、私は近距離にも関わらずタクシーを拾った。




しかし・・・。




「何もタクシーなんて拾わなくても良かったのに。」




「は・・・?」




タクシーに押し込んだはずの信明はニヤニヤと笑顔を浮かべ、さっきまで呂律が回っていなかった口調はいつも通りに戻っている。
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